畑×ジビエ× RIZIN観戦:田舎と都市を巡るおしゃべり
- 15 May, 2025
いつものポッドキャスト第40回。
猪害対策 畑を守る鉄柵と罠のリアル
僕の父は狩猟をやっていて、先日は猪に荒らされる畑を守るため鉄柵を設置した。 電流を流す電気柵という選択肢もあったが、危ないからうちでは使っていない。
罠の話になると、扉が閉まる箱罠は安全だが、足にワイヤーが掛かるタイプは暴れる猪と真正面から向き合う危険がある。 捕えられた猪は木を掘り返してでも逃げようとするから、罠を大木に固定する必要があるのだ。 仕留める瞬間は後頭部を殴打する――そう聞くと残酷に映るかもしれないが、命を奪う責任の重さは僕ら自身が背負わなければならない。
野生動物が増えた背景には、人が離れた山や耕作放棄地が増えたことがある。松山の三浜や高浜でも猪や鹿の目撃が相次ぐ。 罠の設置にもライセンスが要り、猟銃を所持すると警察の定期的なチェックが入る。田舎で暮らす僕らにとって、狩猟は文化であると同時に法規制と隣り合わせの営みだ。
ジビエの食卓 低温調理とエアフライヤーの実験
猪肉は旨みを閉じ込めるために、僕は低温調理でじっくり五時間。 中まで火が通っても赤みを残す仕上がりは、菌をしっかり殺しつつしっとりと柔らかい。 鹿肉はローストビーフ感覚でミディアムレアに。鹿本来の香りが立つぶん、ウイスキーで流し込むのが通だと竹内(@rikson_en)は笑った。
竹内のダイエットメニューにもジビエは役立つ。 エアフライヤーでアルミホイルに包んだ鹿肉を風で焼き上げ、猪は圧力鍋でホロホロに。大量に渡したはずの肉を「全部食べた」と聞いたときは驚いたが、ローストしか並みにカロリーコントロールが効くので、彼の食卓では即戦力らしい。
東京遠征 RIZIN、ハリーポッター、そして人混み
ゴールデンウィーク、竹内は突発で東京ドームのRIZINを観戦。平本蓮の欠場でメインカードは変わったが、朝倉未来が判定でも勝利した瞬間、会場は歓声より安堵が上回ったという。「泥臭くてもまずは一勝」、ファン心理は複雑だ。
格闘技観戦の合間には練馬のハリーポッタースタジオへ。映画の世界に入り込めるフォトブースが妻の心を射抜き、送迎バス付きのホテル・カデンザ東京でクラシックな滞在を楽しんだそうだ。
一方、新大久保の韓国料理店ミシクタンは予約客で長蛇の列。一時間並んでも一般客は一歩も進まず撤退を余儀なくされ、代わりに入ったファストフードのチキンは「まあまあ」。さらに話題の「アイムドーナツ」が完売で、スヌーピーカフェのホットケーキでリベンジ――とにかく東京は並ぶ街だと実感したらしい。
都会と田舎を行き来して見えたもの
僕らの暮らしは、猪害対策の鉄柵と東京ドームの大歓声が同じ時間軸に並ぶ。田舎では山や畑の境界が野生に浸食され、都会ではグルメもエンタメも行列という壁を越えなければ味わえない。
竹内は「松山の方が食も生活も身軽」と言いながらも、朝倉未来の物語を生観戦するために何度でも都会へ足を運ぶだろう。僕は僕で、父から分けてもらう鹿肉と猪肉で低温調理の実験を続ける。
日常は相変わらず二つの世界を往復している。次回は余った鹿肉をクーラーボックスごと竹内に届けて、新しいレシピで盛り上がりたい。山の匂いと東京の雑踏、その両方を胸いっぱいに吸い込みながら。